近年では、矯正治療をされているお子さんをよく見かけますし、さらに成人の方も増えてきているように感じます。
テレビや雑誌などメディアでも、スポーツ選手や芸能人の方も矯正装置をつけたまま画面や紙面に登場され、より身近なことになってきているように思われます。
その矯正治療とは、顎や歯を動かすことによって悪い歯並びを整え、咬み合わせを改善することで、きちんと咬み合うようにし、きれいな歯並びにする治療です。
さて、そこであらためて「矯正治療は必要?」と問われたときに何と説明したらよいのでしょうか。
矯正歯科医からみて、完全に美しい歯並びと咬み合わせの人はほとんどいません。日常生活において支障をきたしたり、口元が出てデコボコしているなど美醜を気にされている方、さらに歯並びに劣等感をお持ちの方にはお奨めいたします。
簡単な歯並びや咬み合わせのチェックには、以下のようなことが挙げられます。
これらチェックしたことが気になるようでしたら、矯正歯科医を受診されることをお奨めします。
矯正治療の方法は、一つとは限りません。
検査・診断の結果、プラン1、2・・のようにいくつか方法が提示されます。
そして、どの方法が本人に適した治療かを相談して決めることになります。
治療時期はいつか、どのような装置か、抜歯か非抜歯か、抜歯部位は、治療期間は、費用は、などなど相談内容は多岐にわたります。また、受験や就職活動、出産等を考慮することもあります。
(矯正装置には、表側矯正、裏側矯正、マウスピース型矯正、取り外しできる矯正などいろいろあります。)
そして最も大切なことは、矯正治療のゴールをどこに求めるか・・ということです。
各人の個性が多様化する中で、どのような仕上がりを目指したいかです。矯正治療後のゴールをイメージし、本人、ご家族、そして私で一致させ共有することが重要となります。
ただし、矯正治療は魔法ではありません。各個人により限界はありますし、
治療によって得られるメリットだけでなくデメリットについても詳しくお聞きになって、
矯正治療を受けるかどうかお決めになることをお奨めします。
「健康寿命」を考えたとき、最後まで自分の歯で咀嚼する重要性が注目されているなかで、
たんに見た目だけでなく、歯並びを整えるという咬み合わせの大切さを知っていただき、
健やかな人生を送っていただきたいと考えています。